教員紹介

生島 和樹 (いくしま かずき)

職名
准教授
専門分野
会計学,財務会計論
担当科目
簿記・会計論I・II,経営実習

研究最前線(コラム)

企業会計における利益概念の検討

研究テーマ

会計学に関連するテーマであれば自由です。

会計情報の公表は企業や政府にとって重要な役割を占めます。それは投資する者にとって意思決定するための材料になるからです。会計情報はいわば対象物を映す鏡のような道具であるといえます。その鏡が曇っていると情報は正しく伝えられずに社会全体が混乱をしてしまいます。
そのため、会計情報に潜む問題を発見し解決することを目的に研究をし、その成果を基に卒業論文作成を行ってもらいます。

ゼミの進め方・内容は、3年次は卒業論文作成に向けてテーマを設定するための基礎知識習得を目的に、ゼミ生が決めた文献の輪読を行います。学生自身がレジュメを作成し報告するとともに議論をします。4年生になると,それぞれの卒論のための研究が本格化していきます。

現在の研究課題、研究活動

「資産除去債務の会計理論」を研究テーマとしております。当該研究テーマを選択した背景には、放射能や化学物質による汚染等、将来への負の遺産という今日的課題に対して、会計学が何らかの対応を行うべきとの認識があります。会計学は、企業等の実態を情報として伝達する役割を担っていますが、将来への負の遺産があることを、個々の企業等のレベルにおいて、社会に提示するという意味で、重要性が高いと考え研究テーマとしました。

資産除去債務は、将来の有形固定資産除却時における汚染除去の義務であり、いまだ汚染除去等の行為がなされておらず、またそれにかかる支出も行われておらず、その金額が未確定という性質を有します。このような性質の項目をいかに複式簿記による記録にインプットし、財務諸表に反映させるのかについて、さまざまな方法が検討されてきました。そこで、私の研究では、資産除去債務に関する史的展開を踏まえつつ、国際的な視点に立って、関連する日米の会計基準,さらには国際財務報告基準(IFRS)との比較検討を行うことにより、それぞれの会計思考を明らかにすることで、あるべき会計制度を追求することであると考えております。このことは、資産除去債務会計にとどまらず、企業活動の発展とともに今後増えていくと考えられ将来事象の会計処理を考えていく上でも重要であると考えております。

社会活動(学外の委員会活動、学会委員活動、NPO理事など)

日本会計研究学会特別委員会(2016年~継続中)

教育のポリシー

高校までで勉強した内容とは異なるため、初学者に対する教育となります。そのため、詰め込み型の記憶学習ではなく、実社会とのつながりを意識させるような教育を心がけております。具体的には、ある問題に対して学生同士での議論の時間を設けることや、設例を多く用意し問題を解かせるとともに教室を回り質問をしやすい環境を整えております。また、設例の解答に際しては、簿記と会計学の関係性の説明に加え、時事問題や会計が問題となった過去の事件との関連性についても説明し、実社会に対応できる人材の育成を意図しております。

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