教員紹介
研究テーマ
一言で言うと、一人や集団で「決める」ことが私の研究対象です。宿題を明日やるからと遊んでいたら、次の日もやはり遊んでしまってなかなか始められないときどうしたらいいか。サッカーのPKでは右に蹴るべきか、左に蹴るべきか…。こんな行動を「モデル」を用いて分析し、よりよい「決め方」を考えています。また、企業や行政などの組織の内外でも意思決定(決めること)はとても重要です。このような状況を分析するための優れた道具がミクロ経済学やゲーム理論、意思決定理論です。
卒業研究の例
- 「地方における起業家支援策」
- 「公共事業の費用便益分析―岩手県における復興道路事業を例として―」
- 「コンパクトシティ度分析による3都市の評価―青森・富山・盛岡―」
- 「新型コロナウイルス流行における各市町村の支援制度の評価」
- 「日本でeスポーツが発展するには―スポーツの本質とeスポーツの競技性―」
- 「化粧品市場への異業種参入の分析―参入障壁低下の原因と類型化―」
- 「より良い『選挙制度』とは何か―アメリカ大統領選挙の社会的選択理論による分析―」
- 「地域貿易協定をめぐる外交戦略のゲーム理論による分析―日欧EPAとTPPを題材として―」
- 「マッチング理論のゼミ・授業選択への応用」
- 「無料による消費者意思決定への影響の分析」
- 「コンテンツマーケティングの分析―マーケティング理論と消費者行動に着目して―」
- 「リピーター獲得による観光産業活性化案―東北地方の観光産業の発展を目指して―」
ゼミの進め方
3年次はゲーム理論・経済学に関連した英文テキストを輪読し、4年次は個別に卒論指導を行います。課外活動として合宿やゼミの先輩が2010年に企画したアロニア福田パンの販売等を行うこともあります。経済学の知識に加え、数理的な分析に基づく論理的思考と英語力を養成することが大きな狙いです。
現在の研究課題、研究活動
現在の研究課題は「経済における心理学的効果の影響の下での意思決定行動のモデル化」です。たとえば、レストランでA・B・Cの3種類のランチがある場合、Aは高すぎ、Cは安すぎるように感じて中間のBを選んでしまうことがあるかもしれません。これは心理学で「妥協効果」と呼ばれるものですが、私はこのような心理学的効果を厳密に取り扱うことができる経済学のモデル作成に取り組んでいます。
また、新型コロナウイルスのような人類にとって完全に未知な「不確実性」の下で、人間がどのような行動をとっているか、あるいはとるべきか、というような問題にも取り組んでいます。
社会活動(学外の委員会活動,学会委員活動,NPO理事など)
- 岩手県町村会「一般職員研修基礎Ⅰ」講師(2012年~継続中)
- NPO法人未来図書館会員(2015年~継続中)
- 文科省復興教育支援事業『大学生・若者を活かしたプログラム開発』検討委員(2012年)
- 陸前高田商工会商工業復興ビジョン検討委員会・推進委員会委員(2011年)
- 岩手県大規模事業評価委員(2019年~継続中)
教育のポリシー
大学では、新しいことを学ぶので、最初は難しく感じるのは当然です。そこで諦めず、粘り強く取り組み知識を積み上げていくと必ず視界がぱっと広がるような瞬間があります。皆さんの先輩も、少しずつ力をつけ、最後はこのような体験をして巣立っていきました。
また、インターネットやIT技術の進展により、ただ単に知識を「知っている」ことの価値は下がり、知識を自分の思考にどう生かすか、広い視野で社会の変化をどう捉えられるかが重要になってきています。このような能力を育てるには、地味に見えるかもしれませんが、本を読んだり、課題に粘り強く取り組んだり、じっくりと立ち止まって思考を深めたりすることが不可欠です。本学の少人数教育では、このような環境が整っています。ぜひ一緒に学んでいきましょう。