教員紹介

辻 盛生 (つじ もりお)

職名
教授
専門分野
環境生態工学,水環境学
担当科目
水環境論,環境科学概論,環境アセスメント論,地域環境調査実習

過去の実習の様子

詳しくはこちら

研究テーマ

水辺の植生・生物、河川・地下水、水質浄化システムなど、水環境に関わるテーマで研究を行っています。水質調査や水辺・水底の環境調査、生物調査などから、水域の環境を明らかにしていきます。たとえば以下の様な対象が考えられます。

  1. 河川や水域の水質的環境評価と改善策の検討
  2. 生物の生息空間としての水域環境の評価
  3. 水辺緑化,ビオトープ施工事例の経年変化と機能評価
  4. 人工湿地による省エネルギー排水処理技術の評価(伏流式人工湿地)
  5. 地下水と土地利用との関係

身近な水ですのでいろいろな課題があると思います。ゼミ配属に際し、水に関係する研究課題であれば前向きに検討します。3年生の前期は、自分の研究対象を明確にするために、関係する文献を読んでいきます。特に、自分の目的とする成果を得るための研究方法は、先行研究にたくさんのヒントがあります。教員も分からないことがたくさんありますのでいっしょに知恵を出し合いながら進めていきます。3年後期からは、実際にデータを取るための調査を開始します。環境の分野は四季の変遷を追うことが重要である場合が多く、早めに調査を始めることが肝要です。4年生になると、調査を進めながら卒論のとりまとめを意識した情報収集も併せて行い、発表用の資料作成など、成果を形にします。

現在の研究課題、研究活動

水辺の緑化から研究が始まりました。水辺の植物は水をきれいにするといわれていますが、どのような仕組みなのでしょうか。また、コンクリートの水辺よりも植物が定着した水辺の方が生物は豊かだといわれています。水質や生物を考えた場合、どのような水辺環境が望ましいのでしょうか。人の利用と良好な水環境を両立させる方法はないのでしょうか。このような見方を根底に、水環境の研究を行うようになりました。

人が便利で安全な生活を手にしていく中で、失われるものもたくさんあります。水環境はそれが端的に表れてくる場所でもあります。また、ちょっと見ただけでは分からないような変化が水域の生物に致命的な打撃を与えていることもあります。人の営為が水環境をゆがめてしまっているのです。ゆがみを戻すには、科学的な根拠に基づいた環境への配慮が必要です。ちょっとした工夫かもしれませんが、その積み重ねが人と自然の共生の礎になると考えています。

社会活動(学外の委員会活動、学会委員活動、NPO理事など)

  • 釜石高校SSH運営指導員 2012年6月~継続中
  • 日本水環境学会 東北支部幹事 2018年3月~継続中
  • 日本緑化工学会 理事、編集委員 2019年9月~継続中
  • 雫石町上下水道事業運営審議会委員 2020年4月~継続中
  • 岩手県環境審議会委員 2020年4月~継続中
  • 木賊川希少野生動植物検討委員会委員 2021年2月~継続中
  • 大槌町郷土財エリア保全活用委員会委員 2021年7月~継続中

教育のポリシー

人は自然環境の中で生きています。大都市であっても物質の流れこそ違いますが、自然の恩恵を受けて人は生きています。水は物質循環の中で大きな役割を果たす存在です。水を題材に学んでいくことで、自然からの恩恵や自然への負荷などをふまえた自分の立ち位置が分かってくるのではないでしょうか。社会ではこのような感覚を持った人材が求められていると思います。それが分かるのは、やはり現場に出て体感することが一番です。その感覚を大事にしつつ、現場から得られた情報を適切な方法で分析し、その結果を丁寧に解析していくことで次第に形になっていきます。それを続けることで、自然からの恩恵や自然への負荷も少しずつわかってきますし、社会に出てからますます必要とされるデータの得方、使い方、まとめ方、示し方も身につきます。

教員一覧に戻る