教員紹介
役重 眞喜子 (やくしげ まきこ)
- 職名
- 准教授
- 専門分野
- 地域自治論
- 担当科目
- 行政学Ⅰ(地方自治論を含む),行政学Ⅱ,市民協働論,法律・行政実習
研究最前線(コラム)
ブルシット・ジョブと自治体職員研究テーマ
主要なテーマは将来にわたる自治体運営を、行政と地域住民の連携でどのように持続していくかにあります。特に、平成の合併後に巨大化した基礎自治体では、両者の関係をどう築き、維持するかは行政資源が縮んでいく中にあって非常に重要な課題です。
長年自治体の行政現場で仕事をしてきて、地域課題への対処がうまくいく自治体とそうでない自治体の間には大きな違いがあることに気づきました。それは、職員と住民が日頃いかにきめ細かな意思疎通を行い、顔の見える関係をキープしているかということでした。
学生皆さんにはまずは現場に出て、地域とは、自治とはどのようなものなのかを五感で学んでほしいと願っています。
現在の研究課題・研究活動
平成の合併前後から、全国の多くの自治体が導入した自治体内分権システムを行政学の視点から研究しています。県内・県外の自治体における検証作業に携わりながら、自治体における住民参加と政策形成の面でどのような成果と課題があったのか、その実態を分析し、政策提言しています。また、被災地域、過疎集落等における住民活動と外部支援者、移住者等の連携で地域を支えていく仕組みや制度づくりも研究しています。
一方、市町村合併が一段落した今後、国と地方の関係や地方制度がどうなっていくかも重要な研究テーマです。自治体の広域連携のあり方や、職員の人事政策などが重要な論点になると考えており、事例の調査・分析・発信に努めていきます。
社会活動(学外の委員会活動・学会委員会活動・NPO理事など)
県内外の自治体や地域づくり団体と連携して活動しています。
- 岩手県活力ある小集落実現プロジェクト研究会座長(2022年4月現在・以下同じ)
- 岩手県行政不服審査会委員
- 岩手県公共工事入札制度適正化委員会委員
- 岩手県社会貢献活動支援審議会委員
- 岩手県農政審議会委員
- 盛岡市都市計画審議会委員
- みちのく盛岡広域連携都市圏ビジョン懇談会委員
- 花巻市教育委員
- 花巻市コミュニティアドバイザー
- 北上市文化芸術推進会議委員
- (一社)東和作戦会議理事
- 農村計画学会評議員
- コミュニティ政策学会理事
- 保護司(法務省)
- 滝沢市自治基本条例検証委員会委員会会長
- 葛巻高校魅力化コンソーシアム委員
教育のポリシー
- 現場重視
- 対話重視
- 書く力 (発信力)重視
ゼミや実習ではフィールドワークを必須に、できる限り現場にふれることを大事にしています。人に出会い、感動することから社会への関心や将来の希望も生まれると思うからです。卒業後もずっと「ただいま」と帰っていけるような自分のフィールドを1つ持つことを目標に、一緒に頑張りましょう。行政とは、どこまでも人と交わる仕事ですので、対話力も重要です。ここでいう対話力とは技術的なものではなく、相手の立場を思いやり、相手の置かれた環境にあらゆる想像力を持ちうる知識と経験を積むことで培われます。
また、書く力と、その前提となる読む力を徹底して指導します。フェイクな情報があふれる時代において、論理的にものを考え、地道に調査し、ウソのない誠実な日本語を書く力は社会に出てからますます重要になります。大学の4年間はとても短いですが、学生皆さんが自らその力を身に着けられるよう全力でサポートします。