教員紹介

斎藤 千加子 (さいとう ちかこ)

職名
教授
専門分野
行政法,憲法,フランス法制史
担当科目
法学(国際法を含む。),行政法I,行政法II

研究テーマ

国や地方公共団体(つまりお役所)の活動は、それらの権限を定めた法(行政法規)に基づいて行われています。つまり行政も法治主義に従うのです。行政の法治主義を研究対象とするのが「行政法」という学問で、これに関することなら何でも可です。現在は、主に以下のテーマで進めています。

  • 行政行為の類型とそれぞれの性質
  • 裁量のある行政行為を裁判所が統制する方法
  • 行政訴訟を行いやすくするためには
  • 行政法(主に行政と普通の人間との間の法律関係)は民法(主に普通の人間と人間の間の法律関係)とどこが同じでどこが違うか→例)行政契約と普通の契約
  • 行政に対する権利と普通の人間に対する権利はどのように違うか→例)生活保護を受ける権利と売買代金を請求する権利
  • 行政が私たちに「命ずる」とはどういうことか→例)課税、運転免許の取消し
  • 行政が私たちに「許す」とはどういうことか→例)営業許可、納税免除
  • 行政が私たちに「与える」とはどういうことか→例)児童手当、就学援助
  • 行政が違法な行為を行って私たちの権利が侵害されたとき、どうすればよいか→例)違法課税を取り消す行政訴訟、学校(公立)事故の国家賠償

ゼミの進め方・内容は,3年生のうちは主に①教科書の一部について分担し、各自資料・レジュメを作りそれらを用いてゼミで講釈(教員の講義のように教科書の内容を解釈しながら聞き手にわかるよう説明すること)を行うこと、②必要な判例を探したり探した判例を紹介することを中心にやっていきます。法律学の研究手法を学びながら、内容を深めていくことが目的です。4年生になると、まず自らの卒論のテーマを大雑把に設定し、文献・資料を探し、それらを取捨選択した上でテーマを絞り込み、骨組みを章立てした上でいよいよ卒論執筆にとりかかります。

現在の研究課題・研究活動

行政活動を法律の観点で分類(法律上の手続や効果にさまざま違いがある)したとき、「行政行為」といわれる活動があります。たとえば、課税は行政行為として行われ、私たちがその通り納税しなければ、給料や銀行の口座を差し押さえられて強制的に税金を徴収されます。また、原子力発電所を設置するには行政の許可が必要ですが、この許可は原発周辺住民の安全を考慮したものでなければならないと法律に定められているため、周辺住民は安全性を欠く原発の設置に反対して設置許可を取り消す訴訟を起こすことができます。ところが、原発が安全か否かの判断は行政の裁量の下にあると考えられると、裁判所は手出ししづらいため(なぜですか?三権分立だからですよ)、訴訟を起こしても無駄になることがあるのです。

ここ出てきた「課税」も「許可」も行政行為であり、行政行為は行政活動の中心となっています。そこで、行政行為の性質および違法な行政行為を訴訟で取り消したり差し止めたりする方法などについて、研究をしています。

  1. 行政行為の類型とそれぞれの性質
  2. 裁量のある行政行為を裁判所が統制する方法
  3. 行政訴訟を行いやすくするためには

社会活動(学外の委員会活動、学会委員活動、NPO理事など)

  • 岩手県都市計画審議会 副会長(2016年~継続中、委員はその前から)
  • 岩手県総合計画審議会 委員(2016年~継続中)
  • 盛岡市入札等監視委員会 委員長(2014年~継続中、委員長代理はその前から)

その他、岩手県後期高齢者医療審査会会長(継続中)、岩手海区漁業調整委員会委員(継続中)、また岩手県国民健康保険審査会会長などを歴任しました。

教育のポリシー

法律学は大学で初めて学ぶ学問です。それまで高校の現代社会等で憲法に少々触れたことはあるでしょうが、大学で法律学を学べば、高校までは法律について何も学ばなかったに等しいと気づくはずです。ですから、私は皆さんに初めて学ぶ法律学を基礎から丁寧に教え、法律はやればできることを実感してもらうよう努めています。そのためには、法律学の土台を形作っているいくつかの基本概念をちゃんと理解してもらうことが必要です。それははっきり言って片手間で理解できるような生易しいものではありません。深く考えること、わからなくてもあきらめずに理解しようと努力することを求めます。

また法律は積み重ねの学問です。1年次の法学(国際法を含む。)は、その後のあらゆる法律科目を学ぶ上での基礎ですので、これをおろそかにしていると、その後のすべての法律科目が理解できなくなります。そこで私は、1年で学ぶことを定着させその後の法律科目につなげることができるよう、授業内で問題演習を豊富に行っています。高校では普通ですが、大学では珍しいんですよ。

わが国も他の先進国も例外なく法治国家です。国際社会には国際法があります。ですから、法律はそのおおまかな成り立ちや調べ方を知っていると知らないとでは、現代人の人生に大きな差が出る可能性があります。法律が嫌いとか、法律は面倒で敬遠したいとか思っていると、人生の各場面で大きく損をすることがあるでしょう。

また法律は、1人の人間としてのみならず、企業や役所で働く職業人として必要な知識です。とくに公務に就く場合は、行政法が必須の知識となることは、ここまでの説明でおわかりでしょうね。

法律の有用性とその限界を理解し、よりよい社会をめざしてこれに貢献し同時に自らの人生を幸福なものとしてください。

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