八幡平にて | 職名教授専門分野気候学、自然地理学、都市気候、大気環境、温暖化 |
環境科学概論、空間情報解析論
博士(理学)
気候学が専門であり、温暖化、都市気候などを中心に、大気環境に関する研究を行っています。日本の温暖化を示すデータの中には、地球温暖化と都市の温暖化の双方が含まれていることに注目し、地球規模で考える温暖化と都市の影響を抽出する研究を行ってきました。
また、白神山地の冬季の降水量のような、既存のデータが得られにくい場所の気象データを、地理情報システムを使い推定する研究も行なっています。今年度はアメダスデータに加え、独自の気温観測点を岩手県内に数十箇所設置し、精密なメッシュ気候データ(岩手版)を作成する予定です。
さらに、昨年度から、岩手県内の天気に関する言い伝え「天気俚諺」を収集し、その内容をデータベース化するとともに、地域性を考察し、方言などを含め分析する研究を行い始めました。
奥州市・環境基本計画策定への協力
空をみることが好きでした。雲も星も好きなのですが、星を研究する天文学は、あー、星がきれいだな、だけでは研究として成り立ちませんでした。私にとっての気候学は、より人間の生活に関係する空の現象を研究したいと思ったところから始まりました。何気ない風景に現れている気候景観をみると嬉しくなります。
気象学とも切っては切れない分野で、物理も好きだったから、この分野を専攻した部分もあります。色々な自然環境を考える上で、まずは基本になる分野の一つだと思っています。生き物も地形も気候の影響を大きく受けています。
研究としては、岩手の気候と日本規模程度の気候との2つを視野にいれて考えています。私の講義では、時間や空間のスケールを大切にしなさい、とよく言います。スケールによって見方、分析手法を変えなければいけませんし、時間スケールのように経年的な変化をさらに考えなければいけない場合もあります。また、岩手の気候といっても日本程度のスケールをもつ気象現象や地球スケールの気象現象まで把握していることが要求されます。このようにスケールに注意した論理的な展開をゼミにも望んでいます。
一方、ゼミにおいての研究対象は、学生の意思を尊重して決めています。ヒートアイランドの調査やアメダスデータの分析のように、大気環境を扱うものから、天気俚諺の評価、環境基本条例について、などの人文的要素の強いものまで様々な研究を見てきました。まずは、興味を持つことが大切で、その興味を研究につなげることができるかを、そして少々の失敗でもめげずに様々なことにチャレンジしてみようという気持ちを大切にしたいですね。
(2010年07月21日現在)