今年度は、実習助手の小地沢麻樹がコメントいたします。[ ] は指導教員。
雪層断面を観察 | 今年度最後の実習です。雪氷学とビオトープ設計について学んだ後、前回の調査結果を発表します。 まずは学部棟前へ。スコップ、インク、トーチバーナーを用いて、積もっている雪の断面を加工。この断面から何が分かるのか、なぜ層が形成されるのか、渋谷教授から解説を受け、うなずきながら観察しました。 そして学部棟内へ。はじめに、カモ類の生態と、鳥類を意識したビオトープ設計について学習。続いて、前回の調査結果の発表会を行いました。締め括りの講評は、鳥類の渡りを軸に、餌付(えづけ)の是非、鳥インフルエンザといった社会問題へ発展しました。 |
前回の結果を発表 |
手には野帳、地図、コンパス、双眼鏡、望遠鏡、カメラ。バスに乗り込み、盛岡市の高松の池へ向かいました。 今回の課題は3点。水鳥の調査、動物の生息状況調査、雪氷(せっぴょう)の観察です。池の大半が氷で覆われていましたが、調査に適した天気と気温に恵まれ、気持ち良く学ぶことができました。 確認した水鳥は、オナガガモ、オオハクチョウ、カルガモ、キンクロハジロ、ホシハジロ、オオバン、カイツブリ。水鳥たちの人懐っこさに驚く学生へ、渋谷教授が「ここまで接近できる環境は特殊」と解説。大抵は望遠鏡で何とか識別できる程度、とのことです。 水鳥と同時に、その他の動物の姿や痕跡、雪氷の様子も観察。普段見過ごしがちな事象を丁寧に見つめ、ひとつひとつ記録していきました。 次回は、雪氷学をより深く掘り下げた後、今回の調査結果を班ごとに発表。 | 凍てつく高松の池 |
ハクチョウと意気投合? | |
アカマツに着雪 |
足跡を発見? | ノウサギの生息数調査を行う予定でしたが、雪の状態を見て急きょ変更。野生動物の足跡と野鳥を観察します。 長靴を履き、滝沢森林公園へ。雪上に残る動物の足跡を探し出し、記録用紙にスケッチしました。また、公園内のネイチャーセンターの窓から野鳥を観察し、種名と特徴を記しました。見られた足跡は、ノウサギ、ニホンリス、キツネ、タヌキ。野鳥は、スズメ、ヤマガラ、シジュウカラ、シメ、アカゲラなど。 続いて実験室に戻り、本来のテーマであったノウサギの調査方法を学びました。野外調査は気象条件に左右され易いため、今回のように思うに任せないこともあります。 |
足跡を解説 |
心象スケッチの発表会。学生ひとりひとりが、観察時に撮影した写真を背景に、作品を朗読しました。 観察対象の選択肢は、岩手県立大学、盛岡駅、住環境・生活環境の3点。同じ地点を観察していても、捉え方と表し方はそれぞれです。他者の作品に触れ、新たな知見を得た学生も(教員も)いた様子。 なお、余興として、作品評価の紅白戦を行いました。僅差で紅組が勝利! まちの文化として景観を考える実習は以上です。同時に、年内の実習も以上です。良いお年をお迎えください。 | 心象スケッチ |
写真を添えて発表 |
今回は休講です。この時間を利用して、各自心象スケッチによる観察記録に挑戦していると思われます。次回は作品の発表会。 |
2週間かけて進めた、闇の文化としての景観を考える調査。今回はその発表会です。準備を整え、班ごとに登壇しました。 取り上げられた内容は、昼夜のギャップ、明暗の境界、闇の中の音、心の闇の逸話。いずれも、短い期間でこなしたとは思えない、力の入ったものでした。 さて、ここで次のテーマへ移ります。2つ目のテーマは、心象スケッチで読むマチ・住環境。宮沢賢治に倣い、心象スケッチによる観察記録に挑みます。 挑戦に先立ち、前期の専門演習Iで実践済みの学生5名が、手本を示しました。 | 4つの班が発表 |
心象スケッチに傾聴 |
教員からアドバイス | 闇の文化としての景観を考える調査に向け、準備を進めます。 まずは、各班が進捗状況を報告。中には、既に調査を進めている班もありました。 続いて、各々の作業を開始。調査項目の確認、調査地の下調べ、調査日程の調整を行う一方で、発表の準備に着手する姿も見られました。 次回は調査結果の発表会。 夜間に調査へ出向く班は、不審に思われないよう、そして何より、危険の無いよう気をつけてください。 |
書籍とウェブで情報収集 |
2つのテーマを掲げ、まちの文化として景観を考えていきます。全5回の実習です。 1つ目のテーマは、闇の文化としての景観。 まずは倉原教授が、昭和初期の都市美運動の先導者、橡内吉胤(とちないよしたね)と石川栄耀(いしかわひであき)を紹介しました。どちらも盛岡と縁のある人物です。 今回は、石川の「夜の都市計画」の視点に着目。夜(闇)の中に見つめる景観の実態と意義を調査します。フィールドは盛岡です。 早速、班ごとに調査内容を検討。それぞれ切り口を見出し、内容を詰めていきました。 | 先人から学ぶ |
調査内容を検討 |
朝から下ごしらえ | 里山の利用方法を考えていきます。 午前中、学生有志が実習室に集合。島田講師の指導のもと、あるものを準備しました。 午後、全員揃ってお馴染みの雑木林へ。まずは、カタクリの生息環境を整えるため、林床(りんしょう)をすっきりさせました。写真2枚目の下部に見えるのが、刈ったササと剪定(せんてい)した樹木。これらは堆肥化される予定です。 保全作業後、平塚教授より問い掛け。「国産木材の利用方法、どのようなものが考えられる?」「作業後のイベント、どのようなものが考えられる?」学生からは、個性的なものから社会情勢を汲んだものまで、様々な意見が出ました。どれも正解。 最後は、毎年恒例のピザづくり。午前中に準備したピザ生地と食材を手に、思い思いのトッピングを行い、窯で焼き上げ、美味しく頂きました。頑張った自分たちへのご褒美。こんなお楽しみも、時には必要です。 |
ササ刈り頑張りました | |
作業後のお楽しみ |
屋敷林に関する実習は、大変順調に進みました。成果報告会も前回終了。したがって、今回は休講です。この時間を利用して、各班レポートをまとめていると思われます。 |
5つの班が成果報告 | 約1ヶ月かけて挑んだ屋敷林の調査。いよいよその成果を出す時です。佐野准教授の進行のもと、班ごとに報告を行いました。 屋敷林の管理方法、山との距離、現在と過去との比較、他地域との比較、住民の意識。多彩な内容の議論が繰り広げられました。 今回は、経営・経済講座のTee Kian Heng准教授が参加。環境政策講座の教員とはひと味違う視点で、鋭く切り込んでもらいました。 最後に、吉木准教授が「例年よりも出来が良かった」と評価。「今回のような進め方を今後に活かして」と学生を激励しました。 |
ゲストからの指摘 |
この2週間、講義などの合間を縫い、各々が屋敷林の調査を進めていました。順調に進んだ班もあり、思うように進まなかった班もあり。 本日、まずは、班ごとに実施した調査の概要を整理。ひと段落ついたところで、簡単に報告を行いました。 続いて、調査データを分析し、まとめる作業へ。並行して、それらを発表する準備も開始しました。 次回はいよいよ成果の報告会。他の教員にも参加を呼び掛けています。本格的です。楽しみですね。 | 調査概要を報告 |
分析と発表準備 |
屋敷林を発見 | 屋敷林の調査に備え、現地を下見します。 バスに乗り込み、紫波町へ向かいました。 天気は雨。バスの中からの観察が中心となりました。途中、小降りになった隙に降車し、10分間ほど集落の様子を眺めることができました。 地図や空中写真の印象と実際の印象は、やはり異なるものです。今回の下見は、調査を進めるにあたり、大いに参考になったことでしょう。 次回は2週間後。それまでに、班ごとに調査を行います。 |
バスを降り観察 |
屋敷林の調査に向け、準備を進めます。 まずは、前回の作業の仕上げを行いました。 続いて、調査項目と調査方法の検討を開始。彩色した地図や、予め収集してきた資料をもとに、じっくりと議論を行いました。 最後に、班ごとに調査項目を発表。様々な切り口が挙がる一方で、各班に共通する項目もありました。所属ゼミを軸とした班編成のためか、各ゼミの色がほのかに出ていたようにも思われます。 次回は現地を下見。 | 調査項目を検討中 |
全班の調査項目(案) |
立体視鏡で確認中 | 屋敷林という資源について、学生自身が調査項目を検討し、実際に現地へ赴きます。全6回の実習です。 まずは、佐野准教授が屋敷林の概要を説明。 次に、対象地域の地図と空中写真を広げ、屋敷林の存在を確認。空中写真を読み取る際には、吉木准教授の指導のもと、立体視鏡を使用しました。 更に、地図と空中写真を照らし合わせ、気付いた点をメモしながら、地図上の屋敷林を彩色していきました。 今回は以上です。次回は調査項目を検討。 |
地図と空中写真を照合中 |