前期では植生、野鳥、水質、気象など様々な調査を実習で行ってきました。この八幡平実習ではそれらの調査で得た技術を実践するための合宿です。
この八幡平実習を乗り切る秘訣は「楽しむ心」です。
最初から「やだなぁ」「めんどい」と思っていては、何もかもがつまらなくなってしまいます。しかし、何にでも積極的に好奇心をもって過ごすと充足感に満ち足りた3泊4日を過ごすことができます。
そして3泊4日の中で行われる様々なジャンルの調査に触れることによって、環境政策講座での自分のしたいことが見つかるのではないのでしょうか。
今年度のコメンテーターは、大沼晴美さん [由井] です。[ ] は指導教員。
最終日は、3泊4日の振り返りと御在所沼の見学です。 実習の振り返りは毎年違うかたちで行われており、去年は「俳句」でした。さて、今年は一番印象に残ったことを布絵にしました。 総合政策学部内には複数のコースがありますが、八幡平実習のような体験を出来るのは、環境・地域コースの環境政策講座だけです。 3泊4日の貴重な体験が学生の皆さんにとって、プラスとなることを祈っています。 | |
班ごとにテーマを決めて布絵を制作。 先生が用意したたくさんの布なら好きなものを選び、切って、ボンドで貼る。 色も素材も異なる布がたくさん。 一人が首に布を巻くと…→ ↓ ↓ ↓ もう一人も首に巻く。→ しかも似合っていたから恐ろしい。 こういう遊び心は人に伝染していくようです(笑)。 昔の仮面ライダー(本郷猛)みたいです。 学生ががんばっている間、先生はZZZ… そして発表。 制作した布絵は、今年の大学祭のときに総合政策学部棟に展示されていました。布絵は倉原先生が持っているそうなので、見たい人はどうぞ倉原先生の研究室へ…。 この班は佐野先生をモデルにしたようです。 題して「八幡平ノススメ」 この布絵はみんなの大絶賛を受けましたが、当の佐野先生は苦笑い。 | 実習の振り返り |
4日目の昼食。 カレーライス・サラダ。 (カレーはおそらくインスタント) | |
御在所沼。別名「五色沼」 最大水深は13mもあり、四季の移り変わりに対応して、水の色が多様に美しく変化するそうです。 あるときは褐色に濁り、あるときは青白く淡く濁り、またあるときはエメラルドグリーンに澄むようです。 この日は、エメラルドグリーンに美しく澄んでいました。 硫黄鉱山の鉱脈と温泉の湯脈の影響を受けた地下水が、湖底から湧き出ています。湧き水が含む鉄分と硫黄分が、大気から取り込まれた酸素と結合する度合いによって水の色が変化するそうです。 御在所沼からバスへ向かう途中。 …ん?後ろで誰かがバンザイしてる。 …んんん?あ、吉木先生だ! | 御在所沼 |
県大に戻ってきて、ちょっとぐたっり…座り込みながら、調査した資料をまとめています。 3泊4日本当にご苦労様でした。 |
この日は植生調査と施設見学だけでしたが、植生調査でほぼ1日を使っていたのでハードな1日でした。 移動中のバスではぐったりした様子で寝ている学生が多かったかもしれません。 最後の夜とあってか、夜の大反省会(飲み会)では昼の疲れた様子は全くなく、元気いっぱいで最後の夜を各々楽しんでいたようです。 | |
植生調査 | 標高別に植生調査。 最初に柏台という地域で植生調査。図鑑と先生が事前に作成してくれた資料で樹種を判別。 次に松川温泉の裏にあるブナ林で植生調査。 一般的にブナ林にはササが生い茂っているのが特徴です。このブナ林も背の高いササが生い茂っており、調査は大変でした。 (写真は1ヶ所目。2ヶ所目では誰も写真を撮っていませんでした) そして3地点目では藤七温泉近くの蓬莱境(ほうらいきょう)で植生調査。 一応国立公園内なので、あまり踏み荒らさないように慎重に調査…。 |
3日目の昼食弁当。 ごはん・メンチカツ・酢の物・ゆで卵・ナスのなんか和え物・おしんこ・お茶 植生調査が終わり、お昼のお弁当タイム。 路上に座り込み、ワイワイと…。やはり八幡平でも女の子のツナギが大流行。 | |
地熱発電所見学 | 松川温泉すぐそばにある地熱発電所。 ここでは施設を自由に見学しました。普通にお土産も売ってました |
3日目の夕食。 ごはん・みそ汁・ハンバーグ・きんぴらごぼう・サラダ・フライドポテト・おしんこ・スイカ 食事風景。 「イェイ!!」 | |
昆虫採集結果発表 | 1日目の夜に行った昆虫採集の結果発表!! 大物賞、珍奇賞、五目賞などの各賞と金一封が由井先生から授与されました。 写真中央にいる彼女がキリギリスの新種を発見し、見事、珍奇賞を受賞しました。 「受賞した今の気持ちは?」と豊島先生。…マイクは虫除けスプレーの缶。 先生、すでにテンション高いです。 |
…そして、そのまま飲み会に突入。 この飲み会は普段お近づきになれない先生方と仲良くなれるチャンスです!! 普段は聞けない、先生の大学生時代の恋愛事情や奥さんとの出会いを聞くことが出来る場です。 怖いと思っていた先生でも、飲んで話せばユーモアのある人だということに気づかされます。 外でお話。 飲むのに飽きた人は天体観測をしたり、お話したり、酔ったまま50m徒競走をしたり… 最後の夜は、思い思いに過ごしたようです。 | |
朝から小型哺乳類トラップの回収をし、暑い中水質調査をし、4日間で一番ハードな日でした。しかしながら学生はこの環境に慣れてきたようで、ハードなスケジュールのわりには表情がイキイキしていました。 夕食後、近くの温泉に入っていると多くの流れ星が見えたようです。また、先生方との反省会(飲み会)も盛り上がっていました。 | |
前日の夕方に仕掛けたトラップを早朝に回収。 朝食前だったので、部屋着での学生もちらほら… 今年の八幡平実習で初めてモグラがかかりました!!去年まではネズミしかかからなかったので、快挙といえば快挙かも。 | トラップ回収 |
朝食後、旧松尾鉱山の中和処理施設の見学。 坑廃水には砒素と鉄が多く含まれており、鉄酸化バクテリアを利用した中和処理を行っています。坑廃水が流出する限り、中和処理施設は永久に稼動しなければなりません。もし、事故などで稼動がストップすると、北上川は「死の川」に舞い戻ってしまうのです。 以前使われていた坑廃水用水路。溶けて表面がボロボロなのがわかりますか? 強酸性の坑排水はコンクリートを溶かしてしまい、パイプやタンクの内側は樹脂でコーティングされています。 中和処理した水のpHを計測する所長さん(写真右)。pH4で学生が「おぉ〜」と感心すると、 「こないだ来た小学生と同じ反応だよ」と所長さんはにんまり。 この貯泥ダムは、中和処理の過程で発生した沈殿物を堆積するためのダムです。写真の奥に見えるオレンジ色したのが汚泥です。この時は水位が下がっていたためはっきりと見えました。 当初は20年でダムが満杯になると言われてましたが、今では坑廃水に含まれる鉄が1/4になったので80年はもつそうです。 繁栄の跡。 最盛期の昭和30年には鉱山労働者4千人、家族を含めて延べ1万5千人が生活していたそうです。 | 旧松尾鉱山 |
夏でも後藤川の水は冷たく、そのまま水田に川の水を注ぎ込むと冷水障害が起こってしまうそうです。 そこで、いったんこのように広く浅い水路に川の水を流し、太陽熱で水温を上げてから田に注いでいるのです。 | 後藤川温水路見学 |
赤川と松川に分かれて水質調査。 赤川の上流→ 旧松尾鉱山の影響が強く、川床は赤茶けた酸化鉄に覆われています。約pH3の酸性。当然のことながら魚はいませんでした。 水質以外にも流速や、川幅・深さなども調べなければならず、入っても大丈夫そうな川では、入って調査。 意外と川が深く、長靴に水が入ってしまう学生もちらほら。 こちらは松川。 足が滑りそうになりながらも、調査。暑い日ざしのなか、みなさんがんばっていました。 こちらも松川。 写真中央にいらっしゃるのが山田先生。サングラスがお似合いです。 宿舎に戻ってからも水質調査。 水質調査では項目によっては結果が出るまで時間がかかるものがあります。そういう項目はその場ではなく、室内で調査。 | 水質調査 |
2日目の夕食。 ごはん・みそ汁・コロッケだかメンチカツ・サラダ・つけあわせのなんか・おしんこ・ピンクグレープフルーツ | |
夕食後、水質調査結果の整理です。 各班が調査した内容と感じたことを発表。山田先生から手厳しいアドバイスを受けました。お世話になりました。 | 水質調査まとめ |
この日は初日ということで、学生は不安と緊張に包まれていたのではないでしょうか。割り当てられた自分の部屋に入るなり、「ふぅっ」と疲れた溜息が出ていました。 関係ない話ですが、宿泊した八幡平ユースホステルにはポルノグラフィティがこの施設で撮影した写真がありました…どうも以前この施設に宿泊したようです。 | |
焼走り熔岩流 | 噴出時期は1732年(享保16年12月−享保17年1月)で、約270年たった今でも植生は復元されていません。 そんな荒涼とした景色の中、先生方の説明を聞きながらひたすら歩きました。 |
野鳥のラインセンサス | 県大から樹海ラインに向かうバスの中で、野鳥の鳴き声のテープを聞いて、調査に挑みます。 ポイントごとにペアで降ろされ、時間になったらバスが回収しに来てくれます。 院生の方など野鳥に詳しい方が見回りに来て、アドバイスをしてくれました。 この日は風が強く、風の音で野鳥の声が聞きづらかったようです。蜂に追いかけられたペアもあったみたい… |
八幡平国立公園 | 天気がよければこの展望台の下に美しい風景が広がっていたはずです。 幸丸先生から国立公園の実情と、人が公園内に入る事で起こる問題についてお話をいただきました。八幡平国立公園は日本で9番目に指定され、国内では10番目の面積を誇っています。 豊島先生から、この湿地帯の地質について説明をしていただきました。 8月なのに、寒かったです。 |
八幡平山頂周辺 | |
トラップ設置 | 宿舎の近くの笹薮などに各班が小型哺乳類用のトラップを設置。それぞれがネズミがいそうな場所を想像し、好きな場所にトラップを配置していきます。 翌日の朝に回収します。さてさて、どうなることやら。 |
1日目の夕食。 ごはん・みそ汁・豚肉の生姜焼き(?)・サラダ・冷奴・おしんこ・つけあわせに野菜などの炒め物・ブドウ | |
昆虫採集 | 夕食後、宿舎周辺で一人5匹の昆虫採集をし、識別。 大物賞や珍奇賞、五目賞など、がんばって賞をとれば金一封がもらえます!!夜なので蛾が多かったんですが、夜の昆虫採集は意外と楽しいかったです。蛾でも大物を捕れば金一封の可能性は非常に高いっ! 図鑑との睨めっこ。 5匹の名前を特定できた人から温泉に入れます。 |
女子部屋。こんな感じの2段ベッドが一部屋に4つあります。つまり8人部屋になるんです。 男女ともに似たような部屋です。 |