研究最前線
“現場”から気候変動問題を考える
私の研究スタイル
私は、もともと新聞記者でした。記者は社会の課題について、取材し記事にします。取材とはリサーチであり、研究者もフィールドワークをし、論文を書くという作業は通じるものがあります。取材においても事前調査は必須で、研究者の先行文献研究と同じ重要さを持ちます。その中でも最も大切なのは“現場”です。環境問題は、私たちの毎日の生活の中で常に変化して起きています。解決方法は現場を見なければ見出すことが難しいのです。
このため、岩手県三陸沿岸部の農林水産業から気候変動の影響を知り、行政の政策策定の源流である国連の気候変動枠組み条約締約国会議に参加し、海外の研究者と協力し国際交渉の実態を分析しています。また、高知県の黒潮生物県所と連携し、クラゲを気候変動の指標として分布状況など調査しています。
岩手の再生可能エネルギーや地域循環共生圏の在り方を研究
私が現在取り組んでいる研究フィールドは大きくふたつあります。1つは、風力発電などの再生可能エネルギーの在り方の研究で、二つ目は、農林水産物の地産地消などの地域循環共生圏の研究です。
1つ目の再生可能エネルギーでは、キャンパスからも見える、姫神ウインドファームや、高知県大月町の大月ウインドパーク、野田村のバイオマス発電、さらには日本で最初の地熱発電所、八幡平市の松川地熱発電所などを研究対象とし、再生可能エネルギーの課題を研究しています。風力発電や太陽光発電は、普及にあたり、周辺住民の理解をえることが難しく、解決策を探ります。
地域循環共生圏に関する研究
(筆者撮影)
岩手県の沿岸北部は、少子高齢化が深刻に進み、活性化が喫緊の課題です。「岩手県立大学地域政策研究センター」がある田野畑村を拠点に、ヤマブドウとウニを活用した循環型育成方法を研究しています。早稲田大学とも共同で、北三陸エリアが、地域循環共生圏のパイロットモデルになるよう自治体からも意見をうかがいながら研究を進めています。
本質的な人間の豊かさとは何かを考える
人類は、科学を糧に、これまで、地球上で人口を増やしてきました。あらゆる局面で飽和状態、限界にあると言われる今、私たちは何をもって豊かであり、幸せであると感じるべきでしょうか。環境問題とは、結局、私たち自身の生き方の問題なのです。全国的にも自然に恵まれた「フィールドインユニバーシティ」で、学生の皆さんと考えていきたいと思っています。
(2026年4月)
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