![]() 雑木林にて | 職名教授専門分野進化生物学、保全生物学、絶滅危惧植物、移植、ビオトープ、ミュージアム |
進化から見た世界、生態学基礎、環境調査法、森林保全論、流域生態系保全論
理学博士
植物の生活史や繁殖戦略について研究してきました。最初はブナ林林床のユリ科植物から始まり、とくにカタクリとのつきあいは数十年に及びます。物質経済や光合成を研究していました。
その後、タデ科植物を中心に種生物学(遺伝学と生態学の融合)を目指しました。閉鎖花植物(つぼみを開かずに自家受粉をおこなう)の進化について研究し、他家受粉によって作られた子は親より遠くに、自家受粉による子は親の近くに散布されることを見いだしました(ただし一年草の場合)。
県や国の環境アセスメント関係の委員を多く務めています(例:県環境影響評価技術審査会)。自然復元や植物移植の仕事も増えました(例:いさわ西部地域圃場整備地、いわてクリーンセンター、白竜石灰鉱床緑化)。NPO県学校ビオトープ協会の理事として、ビオトープの仕事もしています(例:岩手医大矢巾キャンパス)。
自然環境アセスだけでなく事業全体の評価をおこなうことにもなり(県政策評価委員会)、川づくり・森づくりにもかかわっています(いわての川づくりプラン懇談会、いわての森林づくり県民税事業評価委員会)。ミュージアム系の仕事を務めていたこともあり、常に関心があります(例:岩手県立博物館協議会)。
人間よりも植物を相手にして、「進化」について考えることを昔から目指していました。それが今や、植物や自然を介して人とかかわったり、人と人を結びつける仕事が中心になっています。それも面白いと思うようになったのですから、人の適性というものはわかりません。
広い意味での「庭」づくりです。これからの日本人を支えるのはこの国の自然です。「生きもののにぎわう島」としての日本をつくるために、希少生物を保護し(保全生物学)、山・森・川・街の環境デザインをおこないます(景観生態学)。
前者では、DNA解析など遺伝生物学の手法も用います。後者では、自然度の高い森から都市公園まで、個人の庭からパブリックなビオトープまでを研究対象とします。原初の自然にこだわることなく、適度に人の手の入った里山やビオトープ・ガーデン、多自然型護岸や屋上緑化も扱いながら、緑と自然の総計を高めることを考えます。基本は生態学的デザインですが、人間関係を構築するコミュニケーション・デザインの仕事でもあります。
(2014年04月11日現在)