一般社団法人を設立し、総合政策研究科に入学。
農家の労働生産性と所得の向上に貢献し、持続可能な地域インフラを構築したい。
小野寺 直喜さん
総合政策研究科入学のきっかけ
本研究科への入学を決めたのは、日本の農業が抱える構造的な課題「農地の分散錯圃(さくほ)」に対し、科学的な解決策を提示したいと考えたためです。
これまで現場の感覚で語られがちだった農地集約の効果を、客観的なデータに基づいて定量的に実証する必要があると考えました。アカデミックな手法でEBPM(証拠に基づく政策立案)を実践し、論文を書くにとどまらず、実際の社会課題を解決する「社会実装」までつなげることを目指して、日々研究に取り組んでおります。
研究内容の紹介
東北学院大学の黒阪健吾准教授との共同研究で、経済学の「マッチング理論」を応用し、農地の交換案を自動作成するシステムの開発と社会実装を行っています。これは耕作者の希望を数理的に解析し、地域全体の満足度が最大化される配置案を提示する仕組みです。
おかげさまで、盛岡市や滝沢市などで実証事業を行う機会をいただき、実際に農地の集約・集積を実現することができました。現在は、農研機構のデータ連携基盤(WAGRI)を活用して全国の状況を可視化するダッシュボード開発も進めており、ミクロとマクロの両視点から解決策を模索しています。
研究をどのように活かしていきたいか
本研究を通じて農地配置を最適化し、農家の皆様の労働生産性と所得の向上に貢献したいと考えています。
また、研究成果を広く社会へ還元するため、一般社団法人Tannboを設立いたしました。現在はIPUイノベーションセンターに拠点を構え、株式会社岩手銀行様をはじめとする地域のご支援をいただきながら、開発したモデルを全国の自治体へ展開する活動も展開しております。行政コストを抑えつつ最大の効果を生む政策モデルを確立することが目標です。
将来的には「経済学×データ」の力で、人口減少社会においても持続可能な地域インフラを構築できるよう、科学的なエンジニアリングの観点から尽力していく所存です。