(入学案内)入試問題の傾向

■総合政策学部の入試問題―その傾向と対策

 ここでは、総合政策学部が出題する個別学力試験、「総合問題」と「小論文」について、どんな勉強をすればよいのかを伝授しましょう。
(1)「資料分析力」を試す「総合問題」
 
「総合問題」は一般選抜前期試験において、おもに「資料分析力」(日本文、英文、図表など、資料の内容を正確に読み取る能力)を試すために実施されます。「総合問題」では、ひとつのテーマのもとに、そのテーマに関する日本文、英文、図表がいくつか示されます。テーマとしては、政策、法律、環境、産業、経営、文化などのジャンルから、私たちが日常的にかかえているさまざまな問題が取り上げられます。新聞やテレビのニュースで取り上げられている問題がよく出題されます。
「総合問題」で試されるのは、日常のさまざまな問題に関心をもっているのか、その問題に関する資料を正確に読み取ることができるのか、それについて自分で考え、それを筋道たてて述べることができるのか、ということです。「総合問題」の設問は、おおむね(1)日本文−要約・説明、(2)英文−読解・和訳、(3)図表−説明、(4)論述から構成されています。
 
ねらい
 対 策
日本文
要約・説明
日本語の課題文が理解できているのかを試すために設定しています。
高校の現代文などで求められる要約・説明の仕方と同じです。
英文
読解・和訳
英語の課題文が理解できているのかを試すために設定しています。
読解は要約・説明の場合もあれば、内容が一致するものを選択肢から選ぶというものもあります。和訳も含め、解法は入試の英語と同じです。
図表
(統計資料)
読解
図表(統計資料)から読み取ることのできる情報を的確にとらえ、整理できているのかを試します。 図表の分析はなじみがないかもしれませんが、それほど難しいものではありません。読み取ることのできる情報(多い、少ない、増える、減る、など)をひとつひとつ確認していくだけで十分です。
論述
上の3つを通してわかったことをもとにして、求められているテーマについて自分の考えを説得力を持って述べることができるのかを試しています。
テーマについての知識の有無によって大きく左右されますので、日頃から、新聞やテレビのニュースに注意し、考えをまとめるための「素材」を蓄積しましょう。

(2)「文章表現力・論理的表現力」を試す「小論文」
「小論文」は一般選抜後期試験において、「文章表現力・論理的表現力」(自分の主張を筋道たててわかりやすく述べる能力)を試すために実施されます。「小論文」は、課題文を提示し、その理解を前提にして論述を行うという形になっています。課題文のテーマは、政策、法律、環境、産業、経営、文化などのジャンルの中から、私たちが日常的にかかえているさまざまな問題が取り上げられます。
「小論文」で試されるのは、日常のさまざまな問題に関心をもっているのか、その問題について論じた課題文の主張を正確に読み取ることができるのか、それについて自分の考えを説得力のある文章で表現できるのか、ということです。
「小論文」の設問は、おおむね(1)要約・説明、(2)論述の2つから構成されています。
 
ねらい
 対 策
要約・説明
課題文の骨子が理解できているのかを試すために設定しています。
高校の現代文などで求められる要約・説明の仕方と同じです。
論述
上を通してわかったことをもとにして、求められているテーマについて自分の考えを述べることができるかどうかを試しています。 テーマについての知識の有無によって大きく左右されますので、日頃から、新聞やテレビのニュースに注意し、考えをまとめるための「素材」を蓄積しましょう。

(3)ヒント
 設問文が採点基準になっていることを念頭において解答してください。たとえば、次のように考えてください。
設問文
 解答のヒント
「以下の課題文を読んで/ふまえて」、
「以下の資料A
Dをふまえて」
課題文や資料の理解力、読解力を試していると考えてください。
「○○○というテーマで」
○○○というテーマを設定して、それについて議論しているかどうかが問われています。
「具体例をあげて」 具体例があがっているかどうかが評価の基準になりますので、必ず具体例をあげてください。身近なところに探すといいでしょう。
「あなたの考えを」 自分の考えを述べることが問われていると考えてください。もちろん、独創性のゆたかなもののほうが評価は高くなります。できるだけ自分の考えを具体的に述べるように努力しましょう。

(4)勉強の方法
「総合問題」、「小論文」のいずれも、取り上げられるテーマについてあなたが知っている、ということが重要です。さらに望ましいのは、そのテーマについて考えたことがある、ということです。あらためて対策をたてるとなると、少々時間がかかります。そこで、センター試験が終わってからあわてて勉強を始めるのではなく、日頃から、新聞やテレビのニュースに注意していることが重要です。
あとは、読解、論述をいかにこなすかということになるでしょう。日本文の要約・説明、英文の読解・和訳は、大学入試における現代文、英語の勉強方法と同じです。図表(統計資料)読解については、高等学校の「現代社会」、「政治・経済」などの資料集や参考書に数多くの資料が掲載されているので、読解の練習をしてみましょう。
論述については、普段から、自分の主張、考えを文章にする訓練をしましょう。最初は、300字程度で自分の考えをまとめる勉強をします。しだいに、字数を増やしていき、最終的には、1000字で自分の考えをまとめることができるようにします。
もちろん、字数だけ増えても、内容に説得力がなければ評価は低くなります。内容は、テーマについて情報をもっているかどうかに大きく左右されます。日頃の「素材」の収集がものをいいます。いくつかのテーマを決め、新聞記事をスクラップしてノートなどにはりつけます。読むさいには、著者がどのように議論を展開しているのかに注意しながら読みましょう。要点にはマーキングをしましょう。
読解力のある文章を書くためには、自分の主張を整理し、内容を順序立てる訓練をしなければなりません。論述は、基本的には、三段構成法が便利です。

▼三段構成法


序 論 課題文における筆者の主張・問題提起、図表から読み取ることのできる情報の確認などを受けて、何について論じるかを明らかにする。
本 論 テーマに適した具体例を提示し、分析しながら、自分の主張の根拠を明らかにする。
結 論 最後に自分の考えをまとめる。

これだけで、論述が上達するわけではありません。書く前に、まず、書くべき内容を箇条書きでまとめることからはじめましょう。要点をうまく組み合わせながら、全体の展開を考えましょう。書いた文章は必ず他の人に読んでもらい、意味が通じるかどうか、誤字や脱字がないかどうか、読みやすいかどうかをチェックしてもらいましょう。

Last Update : 2010年07月21日 (水) 14:24